鹿島槍合宿のレポート その2 躍動感の喪失

合宿参加初日の夜はちょっとしたパーティ。チゲと豆乳のしゃぶしゃぶで和気藹々と楽しんだ。最後にそれぞれの簡単な自己紹介の時間があり、座っていた席から一番に指名され「この月曜に孫が生まれました」のひとこと。強制的に拍手をいただきました。皆さん、ありがとう。
寝る前には、白戸校長、コーチの皆さん、MITの方々と、参加メンバー数名が集まっての簡単な飲み会。私にはこれが楽しめた。
MITというのは、「みんな、いっしょに、トライアスロン」の頭文字をとったものとのことで、アスロニアの経営に加わっているIさんをリーダーにお仲間が参加されていた。特にIさんのリードする会話と皆さんの応対が当意即妙で大いに笑った。発想が豊かで機転がきくんだなあ。

翌日、最終日は2キロラン、16キロバイク、2キロランのデュアスロン。18名参加で17名が完走。私は全体記録で最下位の1時間19分31秒。トップはTTA渋谷校ケータさんの48分42秒。私の前の16位はTTA渋谷校のT嬢で1時間7分38秒。いかに私が遅かったか。ぶっちぎりの最下位だ。

今年に入って、フロストバイトのハーフマラソン、カーフマンのデュアスロン、ビギナーズキャンプ、今回の合宿と参加をして、自分がどのようなところにいるのか、周囲との比較のなかで確認することができた。これは「我が身を知る」とても大切な体験であった。

それらを振り返って浮かび上がるキーワードは「肉体の躍動感」。歳をとると失っていくのが躍動感。躍動感の喪失を思い知ったなあ。
中学、高校とハンドボール部にいた。インターハイにも出場した。ハンドボールのコートは20メートル×40メートル。いかに疲れていても30メートルは連続全力ダッシュができなくてはならない。練習でも疲労のピークの状態でダッシュを繰り返しシュートを打つ。その時の私にはみなぎる躍動感があったのだろうと思う。
この経験のために「疲れていてもその気になればダッシュができる」というのが頭に刷り込まれていたのだが、もう身体が動かない。ドンドンと先に行く皆さんに「得意のダッシュ」をかけても追いつけない、というよりダッシュにならない。
幼い日、若い頃に何も考えずにできたことが確実にできなくなっている。それは躍動感の喪失なのだ。ランにしても一歩を踏む足の幅に躍動感が失われているのだ。そのことがよくわかった。そのことを痛感した。
何も悲観的なことを言っているのではない。トライアスロンのおかげで、自分ができなくなっていることがよくわかったということなのだ。私はむしろ、ここにトライアスロンの意義を認めている。

このことをどのように考えるのか。トレーニングにより躍動感を回復するチャレンジングな日々に意義を見出すのか。
でも私はそのようには考えないんだな。
確かにトレーニングによって、私なりに運動能力を幾分かは回復することはできるだろう。それも楽しみの一つにはなろう。しかしその努力で年齢を越えることはできない。もし越えるとしたら、それは錯覚であるか、肉体への過剰な思い入れとなろう。歳相応というのは幾つになっても大切なことなのだ。「お若いですね」などと言われて無邪気に喜んでいてはいけない。
私は「躍動感」とは違う、この年齢に相応しい「運動の楽しみ」を見出したいと考える。
私はそれは「運動のリズム」であることを「躍動感の喪失」とともに認識した。急坂をあえぎながら登るときにも「リズム」はあった。ぶっちぎり最下位のデュアスロンでも、完走できたのは「リズム」のおかげであった。トライアスロンによって「リズム」に出会うことができたというのが、私の考えかただ。
トライアスロンはその時において、自分のリズムを見出し、リズムを肉体で刻む楽しみなのだ。

今日は午前中に10キロラン。夕方からスイム1200メートル。
今日のトレーニングで、ようやくホノルル大会用のテーマミュージックを見出した。
ランはビートルズの「It won't be long」。出だしの“Yeah! Yeah!”というコーラスとの掛け合いがランのリズムにピッタリ。
スイムは悩んだね。これまでいくつも試してみたがしっくりこない。これが今日のスイムで泳ぎながら「ハワイ=サーフィン」と連鎖発想で、ビーチボーイズの「Surfer girl」を試したらピッタリ。スイムの場合は一定のリズムではじける感覚より、自在に伸びができるリズム感覚が重要なんだよね。
この2曲を耳にすると、私の心はしみじみとおせんちになる。思い出が湧き上がり、血が巡る。
ちなみにこの2曲とも発表は1963年。今年59歳の私は12歳でビートズルとビーチボーイズに出会って夢中になった。以来、私たちの年齢の多くがそうであるように、この二つのバンドは常に私のアイドルで、いまだに貴重な人生の同伴者である。
その大好きな曲が「テーマミュージック」になるというのは、当たり前というより、私には驚きである。だってこの2曲とも、走って泳いでいるうちにたまたま浮かんだもので、それ以前に考えたものではないからだ。おもしろいなあ。
なお、バイクのテーマ曲ははまだ見つかっていない。ホノルルを走る中で見出すことを期待している。残ったアイドルバンドは、モータウンなんだが、さてどうなるか。マーサ&バンデラスではまったりしたら最高だ。

目に青葉 衰えを知る 山景色
五月の空 眺めゆく 遠い日々

でも、躍動感に溢れていた昔はなつかしいなあ。
リズムはそれをしみじみと思い出させてくれる。
ああ、生きていることを感じさせてくれる。

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