成都報告その3 中産階級の暮らしと夢

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 中国の都市にマンションが立ち並ぶ光景はテレビなどでもしばしば目にする。日本ではみることのない光景に「わあ、すごい」とは感じるが、そこにはどのような人が住んでおり、どのような生活が営まれているのだろう。今回の成都訪問でその一端に触れることができた。
 今回の訪問でお世話になったのは、四川がんセンターに勤務する羅看護婦。彼女は中心地のマンションに、夫と4歳の娘と暮らしており、羅さんの家にお茶に招かれ、家の内部をみることができた。
 マンションのエリアは柵で囲われ、セキュリティ管理がなされており、管理ゲートから内部に入る。風景としては駐車場の管理を思い描いていただけるといい。内部に入ると、庭が整備され、人が集まって語らっている。卓球台があるのが、いかにも中国らしい。
 エレベータで15階マンションの8階へ。管理ゲートもエレベータも磁気カードで管理されている。部屋は2寝室にキッチン、リビング。キッチンは独立しており、日本のリビングキッチンとは異なる。若い家族のこぎれいな住まいであった。全体の大きさは80平米程度であろうか。日本の標準マンションよりは一回り大きい。
 ちょうどテレビでアニメ番組をやっていた。子供のグループが主人公の内容で、絵のタッチはまるで「ちびまる子ちゃん」。なるほど、若き中産階家族の幸せな夢なのだ。しかし気になるところが。それは背景の風景なのだ。「ちびまる子ちゃん」の背景は昭和の時代の香りであり、室内も懐かしの6畳間を思い起こさせる。しかしこの中国アニメの背景は、場所も時代も不明なのだ。中国の伝統を背負ったものではなく、平板な記号を思わせる。現代の生活文化を織り込んだ風景は、これから作られていくのかもしれない。
 中国の分譲マンションは70年の土地使用権を得ることになる。残念ながら、いくらで購入したのかは聞き漏らした。
 
 分譲マンションは5、6棟が一つのエリアを形成している。エリアによって価格が異なり、明確な格差があるという。そして人は高いエリアを求める。高いエリアに隣接する幼稚園はもちろん授業料も高く、年間で5万元という。約60万円から60万円だから驚く。その幼稚園の親たちの多くは党の関係者であり、その幼稚園に入れば、いわば上流社会の仲間入りをし、子供も上流クラスの友をもつことになる。
 共働きが多いので、食事は外食や、最近ではケータリングが多いという。なるほど街にはレストランが目立つ一方、ファッション系のショップが少ない。
 近くに軍の施設がある高級マンション群の近くを歩いた。ここでは美容室やファッションショップがあり、近代的な街並みとなっている。子供たちが遊び、人々が集まって踊る現代中国のリアルな暮らしがあった。
 中国経済の停滞が伝えられる。大学卒業者は700万人を超えて、ひどい就職難であるという。しかし中国には、かつて日本の高度成長期を支えたような「中産階級の夢」が確かに存在している。成都ではレンタル自転車が広がっていた。この2年で一気に広がっていったという。こうした新たなサービス産業は、今後も様々に興っていくのではないか。
 成都では、着実に成長していく人々の暮らしをみた。ここには夢を紡いで元気いっぱいに生きるひとたちがいる。案内いただいた羅さんは元気いっぱいで、仕事と子育てに頑張る健気な主婦であった。

春の夕 誘われ踊る 中国の夢
 
 いかにもランにぴったりな公園があったが、走る人は見かけなかった。そうしたことに、日本との違いを実感した。「KTV」の看板を多く見た。カラオケ店であるという。しかし街の全体的な印象としてはレジャーの雰囲気に乏しい。今後はスポーツやレジャー産業が大きく広がっていくであろう。私が帰国したあと、成都でトライアスロンの国際大会があったとのことで驚いた。しかしトライアスロンが一般のひとに広がるにはだいぶ時間がかかりそうだ。
 最後に中国を見た眼で、日本への思いを一言。日本人よ自信をもて。日本はいいぞ。日本にはまだまだ可能性があるぞ。これは実感。

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